〜 イヤシロチ 〜

JR三河内駅すぐ傍にある彼女のサロンに足を踏み入れると聖域に入った気がした。神社の境内や古木の傍に居るような感覚。菩薩のような彼女の微笑みに見守られ、しばらく佇む。

出会いと別れ

多良岳の麓で生まれ育ち幼稚園の先生を目指して幼児教育課で学んだ。幼い頃見た入院していた祖父の世話をする介護士の姿、祖父が喜ぶ様子を思い出し病院で介護の仕事に就く。縁あって結婚、出産。娘の魂レベルは彼女よりも上だと微笑む。「優しいんですよ。与えられた子です。」二十代半ばの彼女、一歳の娘と共に家族を解散。この子が産めた素晴らしい別れ。「この子がいたから私は成長できた」看護師になると決めたのは、娘と安定した生活をする為だったという。

サヨナラ固定観念

看護学校に通い娘を預けて働く。看護師となり疾病予防や健康維持に役立ちたいと保健師への道を選択。佐賀大学を受験するも不合格。市役所でアルバイトしながら受験浪人。仕事を終え子どもを迎えに行く生活から長崎大学合格。一年置いたことで結果的に国が行う大学生援助の開始年に当たり学費は国から援助された。入学して進む道を掘り下げたら助産師の道が見えた。実習がはじまり娘を実家に預けるまで、自分が産んだ子どもは絶対に手元で育てなければならないとずっと思っていた彼女。その固定観念を手放したら楽になった。両親は孫と過ごせると喜んだ。誰かが世話をしてくれたら大丈夫。「お互い頑張ろうね」多良岳の麓で小さな娘と約束した。

むかえびと

助産師が育つには国家試験前に正常分娩の赤ちゃんを十例取り上げなくてはならない。県内あちこちの病院へ向かうが、結果的に正常分娩でないならノーカウント。盆暮正月も関係なく飛び回る。いきむお母さん。生まれたい子ども。産道を通る赤ちゃんの力強さが手に伝わる。生年月日は赤ちゃんが決めると感じた。母よりも先に子に触れる仕事。この命に選ばれてお産に立会っている感覚。准看護師からはじまり助産師になるまで七年の歳月が過ぎた。真っすぐこの仕事を選んでいたら自分には何の深みも無かった。助産師は「むかえびと」と思っていたが「おくりびと」の役割もある。死産。望まれぬ出産。動きが止まるのを見届け棺に納め初めて見送った時、学生の時は想像していなかった役目に戸惑い涙した。

あなたは愛されている存在

娘が幼稚園年長の年に母が急死。じいちゃんがかわいそうと娘、父は孫の為にご飯を作り続けた。ショックで父は一か月で十キロ痩せた。娘が居てくれて良かった。「応援しているからね。娘ちゃんは大丈夫よ。」園長先生が彼女を励まし、卒園まで娘のお弁当を作ってくれた。時が過ぎ、娘に笑顔が少なくなっているのに気づく。池川明先生の講演を聞き自分のエゴに対面。周りから見た自分の評価を気にして娘を大学に進学させたかった私。無理して賢い自分を娘に見せていた私。バカだと思われてもいい、素の自分で向き合おう。「生まれてきてくれてありがとう」言葉に出す彼女に「それ遺言?」娘は笑顔で問う。進路を考える娘と彼女も同じだった。私が本当にやりたいことは何だろう、何の為に生まれてきたのだろう。

自分に正直に

いくら抱っこしても泣き止まない子、欲求を満たしたら寝る子、必要最低限しか泣かない子。生まれた時から何故こうも違うのか。赤ちゃんとお母さんに関わる本を読みセミナーに参加。経験と知識を深め、たいわや妊婦整体を学んだ。どんなに妊婦さんに必要でも主治医の許可がないと何もできない。腰の痛みは生活習慣、姿勢、考え方が元になるのに。本音が大事になり、世間体や給料の為と思っていたことが出来なくなってきた。したいように生きる。病院に開業したいと伝え、物件の契約金を払った。書類に印鑑を押す日、急に日程変更された。同日にオーナーが来ているから貸家を見に来ないかと別不動産より電話を受ける。妥協した物件契約の日に、条件が合わず諦めた理想の物件を借りられることになり、見えない力にも応援されていると感じた。大晦日まで働き退職、翌一月に開業。人から人に伝えられ縁を頂き生活ができる現実。不合格も浪人も遠回りではない。全て必要な方向へ導かれていた。ただ進めばいいだけだった。本当にしたいことをすると全ては回ると実感した。

妊娠できるとよ

昨年三月、三川内に移転したサロンには産後ケアの女性はもちろん、妊娠を目指す女性たちが日本各地から訪れる。卵子と精子は出会う三か月前に準備がはじまる。妊娠する前からDNAに自分を大切にする姿を見せて欲しい。快楽でなくお互いが惚れ直すほどに自分を愛し人を愛する様を細胞に伝える。お母さんだけでなくお父さんの想いも細胞に影響している。先祖からの代表傑作の最新作を「想像」したら「創造」できる。不妊治療の先生が妊娠させてくれるのではないの、自分軸よ。体外受精なら心の中で卵子と精子に語り掛けて。体と心を整え母も子も心地いいと感じる部屋をお腹に作る。細胞の頃から愛を知る命は、生まれた時愛されているのをすでに知っているから。愛でいっぱいの子どもたちをいざなう未来のお母さんに触れる彼女の温かい手は、地球に貢献する役目を担っている。

あなたはこれまで最善を選んできた
全ての経験で今のあなたが出来ている
あなた自身を許して愛していいの
愛溢れるまで自分に愛を注いでね

助産師、ボディセラピスト、たいわ士
山田智子さん
妊活子宮整体 お日さまの家
佐世保市三川内本町
TEL:090−4778−0130
ohisamanoie@docomo.ne.jp
ライター
CHIKA
信州在住・佐世保は第二の故郷
ブライダル・イベント・式典MC、ナレーター、ラジオ放送作家
mc_chika_love_wedding@yahoo.co.jp
女性は世の中の「花」だから。
月刊「はなはな」が創刊当初から伝えたい想いです。
「はなはな人」を読み終えたあなたが一人の女性としてあなたの場所で咲くエネルギーになったらと願っています。