〜 ガラス張り 〜

外から見ると大きなショーケースのよう。彼女の案内でアクセサリーたちをゆっくり見て回る。並んでいる全てのデザインを手掛け生み出す彼女に話を聞いた。

一枚の写真

人見知りに加えて照れ屋。「人より動物の方がいいかも」と、はにかむ彼女は、犬の話になるとにこやかになる。お店の名前は「私の天使」というフランス語。愛犬たちをイメージして決めたのだという。彼女の目線の先には、愛犬たちのモノトーン写真が飾られている。彼女製作のお揃いアクセサリーを付け、小型犬を抱っこして来店されるお客様に挨拶しつつ抱かれた犬についデレデレ。ワンちゃんのものを作る時にも顔がニヤニヤしているらしい。唯一、仕事で愛犬と一緒に行けるのでワンちゃんイベントへの出店は必ず行きたいと言葉に力が入る。

パワーストーン

末っ子で二人の姉を持つ上五島育ち。家族全員が、とにかく動物好き。幼い頃から動物番組が好きで、いつか動物に関わる仕事ができたらと考えた。家族で金魚を飼い、猫を可愛がっていたという。学生時代を過ごし高校を卒業すると歯科衛生士を目指して佐世保へ。専門学校で学び、佐世保で就職した。十年ほど歯科衛生士として働くうちに結婚。夫と犬と暮らし始めた。近所に天然石を販売している場所があると聞き、ふと興味が湧いて出かけた。「石に出逢った」と瞳を輝かせる彼女は、もともと天然石が好き。その日、天然石を使ってデザインをしたいと浮かんだ想いが、後に形になる。

別れとはじまり

職場を退職し、パートをしながら天然石のアクセサリーを作りはじめた。委託販売で作品を置いてもらい、夫の営む保険代理店の隅にも飾られた。イベントに出店すると歯科衛生士をしていた頃とは違う人たちに出逢えるのが面白く、積極的に出店するようになった。すると、お客様から「お店はありますか?」と聞かれることが続くようになる。店舗をしよう。準備を進めている頃に、愛犬の一頭が亡くなった。ふさぐ気持ちを抱きしめてお店をしようと努めて上を向いた。心は、そばにいる。ワンコには首輪にして、オーナーにはネックレスやキーホルダーとして付けられるアクセサリーには物語がある。

店舗を持つ

鹿子前にオープンしたお店で「難しくもあり、やりがいもある」と思った。趣味やイベント用に作っていた時は、自分の好きなものだけだった。自分の好みだけで作っていると偏りが出てくる。お店としては、それだけじゃダメだなと感じていたという。男性の方がパートナーへ贈りたいというオーダーを受けてアクセサリーをデザインした。贈る男性もどこかに関わりたいと希望され、ネックレスの繋ぎの部分を手作業して完成。自分が付けたくないものは作れない、結局どこかには自分が入る。腑に落ちた。要望を伺って別のイメージが広がるのが面白かった。

あれから七年

鹿子前の店舗で三年と少々、現在の場所に移動したのは昨年のこと。以前はカッコいい系のアクセサリーが多かったけれど、現在の店舗にピンクやブラウンを使用したので合わせてイメージ展開。フワフワした素材やピンク色も取り入れて世界が広がっている。夫は彼女デザインのメンズものをさりげなく普段使い。彼女自身は場所によって金属アレルギーが出て、ピアスよりイヤリングなのだとか。ひとつひとつ手作業でアクセサリーを作るのは、作り始めた日から変わっていない。身に着ける人を想像しながら、店舗の隅でクリエイティブな作業が行われている。

就労継続支援B型

二年前に、障がいや難病がある方のうち年齢や体力などの理由で就労が難しい方が就労訓練を行う福祉サービス会社を夫が立ち上げた。MONANGEでデザインした真鍮のパーツをそこで作り上げ、彼女が商品に仕上げることもある。店舗に並んだアクセサリーの中から、一部を手掛けた商品を眺めに利用者の方が訪れる。生み出す楽しさ、そして世界でたったひとつの温もりのあるアクセサリーが、お客様の手に渡る見えない繋がりの中に自らが関われる喜び。彼女の知る喜びを別の形で味わう機会がそこにある。

贈り物のお手伝い

「何がいいか」と悩みプレゼントを探すお客様には、贈りたい方が普段何を身に着けているのか、服装や髪形を尋ね一緒にイメージに合うものを探す。男性の中には「お任せします」と言う方もおられるけれど、ヒントを頂けたら嬉しい。迷ったら一粒ごと形や色合い大きさが違う誕生石のパワーストーンを選ぶのもお薦め。不思議と身に着ける方に馴染んでゆく。彼女の中にあるデザインは作りだして閃いてゆき、パーツが選ばれてゆく。つける方が自然と笑顔になりますようにと願いが込められながら。

愛する存在が力をくれる
過ごす時間が短くとも
共に生きる喜びを込めて
誰かの幸せへ繋げてゆける

辻 宏美 さん
MONANGE Manager
MONANGE
〒857-0871長崎県佐世保市本島町4-2 SOHOビル1F
TEL/FAX 0956-23-7772
ライター
CHIKA
信州在住・佐世保は第二の故郷
ブログ「『お花畑で寝転んで』大げさなくらいでちょうどいい実行委員長CHIKA」
https://ameblo.jp/whenyouwishuponastar0603/entrylist.html mc_chika_love_wedding@yahoo.co.jp
女性は世の中の「花」だから。
月刊「はなはな」が創刊当初から伝えたい想いです。
「はなはな人」を読み終えたあなたが一人の女性としてあなたの場所で咲くエネルギーになったらと願っています。